Beer [ビール] の歴史
こんにちは、かなまるです。今回は世界のBeerの歴史についてまとめてみました。
Beerの起源
ビールの歴史は紀元前4000年のメソポタミアまでさかのぼります。
当時のビールは、生焼けのパンを水に浸したものを空気中に漂う自然の酵母で発酵させるというものだったようです。
現在のビールの黄金色の液体に白い泡とは大きく異なり、濁りがあり泡もない白ワインのような酸味があったり、ヨーグルトのような濁り酒だったようです(参考:図説 ビール キリンビール株式会社)。
Beerの本場ヨーロッパ
紀元前1800年頃には、古代ゲルマン民族がビールを生んだといわれています。4世紀頃から6世紀にかけてのゲルマン民族の大移動でヨーロッパ中にビールが広まりました。
中世ヨーロッパでは、ビールの味付けに様々なハーブが使われた「グルートビール」が庶民に親しまれていたようです。この時代、ビール造りの中心であったのが修道士。キリスト教の普及とともに、ビールは聖職者の生活に根付き、ワインと並ぶ地位を築いたのでした。
12世紀になると、ビールの原料にハーブに代わってホップが使われるようになりました。さわやかな香りと苦味とともに風味がよく長持ちすることで、大量生産ができるようになりました。
ドイツで起こったビール革命
ラガービールの登場
15世紀にドイツのミュンヘン地方で、ビール造りに大きな変化が起こりました。それまで長い間、常温で発酵させるエール・ビールしか存在しなかったのですが、低温でも発酵させる酵母を使った「下面発酵」と呼ばれる醸造法の誕生でラガービール(貯蔵ビール)が生まれました。
このお陰で冬の時期にビールを造り、山の氷室で貯蔵することができるようになったのです。爽やかでキレのよい味わいと淡く美しい色で、大量生産もでき、ビール製造法の主流となりました。
近代の技術革新
19世紀にはさらに技術の進展により、低温殺菌法、アンモニア冷凍機、酵母の純粋培養法が発明されました。これらの発明により、高いクオリティーのビールが大量に生産できることで、世界に広まることになったのです。
イギリスのAle Beer [エール・ビール]
グレート・ブリテン島は5世紀頃までローマ帝国の支配下にありました。ローマ人はワインに親しむのに対して、現地の庶民は安価な穀物から造った「エール」を飲んでいました。
上述したゲルマン民族の大移動で5世紀にキリスト教の布教と同時にビールが伝わることで、麦芽醸造酒である上面発酵法で造られるエールがイギリスに定着したと考えられています。
ドイツで下面発酵法のラガービールが発明されて以降も、イギリスではエール文化がそのまま残りました。常温発酵のエールは雑菌の繁殖が問題ですが、夏でも涼しいイギリスの気候が幸いしたのでしょう。
ホップを使った抗菌作用も手伝って、イギリスのエールは今でも独自のビール文化を維持しているんです。
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アメリカのBeer
イギリスの清教徒たちをはじめとする移民は、1600年代にアメリカに渡り、以降ビール造りが始められました。既に17世紀の半ばにはビール醸造が盛んになったようです。
18世紀後半の合衆国独立後はドイツからの移民がラガービールをもたらしました。現在のアメリカビールの礎を築きました。
しかし、1920年以降アメリカでは禁酒法が制定されてしまいます。1933年に法律が廃止されるまでの間、消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止された歴史があるんです。
アメリカのビールは色が淡くて炭酸が強いラガービールが主流です。特にバドワイザー、ミラー、クアーズの3銘柄が国内シェアの80%を占めています。
これに対し、淡泊なビールに飽きたアメリカの人たちからは個性的なビールを求める声も大きく、実際にアメリカ国内では2,000以上のマイクロブリュアリーがあります。この数は世界一多いんです。特に西海岸に多く所在し、IPA(インディアン・ペール・エール)やサワービールなども人気があります。
バドワイザー、ミラー、クアーズはいずれもAmazonで購入できます。
まとめ
- ビールの起源は紀元前4000年の古代メソポタミア
- ヨーロッパでビールを生んだのはゲルマン民族で、4世紀頃から6世紀にかけてゲルマン民族の大移動でヨーロッパ中に広まった
- 12世紀になるとホップが原料に使われ、今のビールにつながる苦味とさわやかな味になった
- ビールの製法は、常温で発酵させる(上面発酵)エールと、低温で発酵させる(下面発酵)ラガーに分かれる
- ラガービールの製法が世界で主流となっている現在でも、イギリスではエールビールの製法にこだわって独自のビール文化を維持している
Beerの歴史について興味を持っていただければ嬉しいです。
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